ボンノーのエンマ帳

ボンノー的志望校の決め方

受験生A君
いよいよ志望校を決めなきゃ…今の点数で合格できるのかな…
ボンノー
高校選びで点数は確かに大事なんだけど、もっと大切なこともあるよ

志望校を決定するときに大切なポイントとは

受験が迫ってくると必ずやってくるのが「志望校を決定する日」。

たいていの場合は1月下旬に行われる3者懇談でどこを受験するのかが話し合われます。

受験前によく「どこの高校を受けたらいいですか?」という相談が毎年来ます。志望校を決定するときになって誤った選択をしないよう、志望校選びのポイントを押さえておきましょう。

ポイント1 その高校に行って何をしたいのか明確にする

それまで「高校」というのは漠然としたイメージしかなかったのが、いざ高校入試を直前に控えると、否応なしに4月以降の高校生活を想像しなければなりません。

例えば、「みんなが行くからそこに行く」「部活が強いからそこに行く」といった「なんとなくそこに」という感覚から、「その高校で何をするか」と現実的な未来を考えなければなりません。

以前このようなことがありました。

Aさんは中学校の時にずっとバスケットボールをやっていまして、中学1年の時から「●●商業でバスケをするんだ」といい続けてきました。

それが、中学3年生の冬になり、塾での懇談で「高校は商業に行くんだね?」と念を押して確認したところ、「商業って、どんな勉強をするの?」と聞かれ、説明しました。

説明後、彼女は次のように言ったのです。

「先生、私、商業に行って何を勉強したらいいの?」

と。

彼女は以前から保育士になりたいとも思っていました。確かに部活動はやりたいと思っていましたが、それ以上に保育士になりたいという願いが強かったようです。

結果、3年近くずっと願っていた商業への進学はあきらめ、普通科の高校へ出願となりました。

高校生活は3年間あります。

勉強だけでもありませんし、部活動だけでもありません。

そこに行って一体何をしたいのか、もう一度考えてみましょう。

ポイント2 学力と性格に見合った学校を選ぶ

ごく当たり前のコトだとは思うんですが、実は意外と難しいポイントだと思っています。

例えばですね、分かりやすいように具体的な名前を出すと、高松高校に進学したいという人は小学校のころから、勉強ができていたと思うんです。

中学校に進学してもたぶんトップレベルのところにはいたと思います。

でも、ぎりぎりの点数で入った子なんかは高校に入ると、当然下位層に入る子もいるわけで、果たしてそういう自分をきちんと受け止めることができるかどうかということも考えなければなりません

今までそういった経験のない子たちがほとんどですし、保護者の方もそうしたことを経験したことない人たちがほとんどですので、慌てる人も多くいらっしゃいます。

もしぎりぎりの成績で入った場合、勉強に対するモチベーションを保てるかどうかということも考えていかなければなりません。そういう状況になったとしても勉強を続けられる気持ちを持てるかどうか、覚悟が必要です。

また、なかには「上位にいるから頑張れる」という子もいます。そういった子は無理して上を目指すよりも一つランクを落として常に上位でいる方がいいケースもあります。

「下からでも這い上がろう」「人は人、自分は自分」という前向きな気持ちを持てる子はおそらくどこに行っても大丈夫だと思います。

進路を決める際には、そういったお子さまの性格なども考慮して決めてほしいと思います。

ポイント3 3年後の進路についても考える

中学校3年間があっという間だったように、高校3年間もあっという間に過ぎていきます。

3年後、就職するのか、進学するのか。

進学するのであれば大学なのか、専門学校なのか。

大学ならば国公立なのか私立なのか。

入試は一般入試か、AOや推薦なのか。

高校を選ぶときにはこうしたことも念頭に置いておかなければなりません。

ですが、意外と大学進学について理解できていない保護者の方も多いのです。

皆さん、口々に「大学は国公立で」とはおっしゃいますが、そんなに簡単に行けるものではありません。

トップレベルの高松高校や丸亀高校ですら、卒業生の半分くらいしか国公立は合格できません。

ほかの学校で国公立で一般入試で合格する人なんかごくわずかだったりします。

今や大学入試といえば半数以上がAOや推薦だったりするわけで、中には高校入試の段階から

「高校は無理せず、内申をしっかりとれるところに行って、国公立をめざす」

とおっしゃる方も多くいます。

現に卒業生にもそういった子がいました。

例えば中学校では成績優秀だったB君。

県内でもトップレベルの高校に進学しました。

高校では当然のように国公立進学を目指して一生懸命勉強しましたが、残念ながら現役ではセンター試験で失敗、一浪の末、地方の私立大学へ進学。

一方、中学では中位の成績だったCさん。

高校も診断テスト100点レベルの高校へ進学。

もともとまじめだったCさんは普段の成績もよく、内申も随分高かったため、地元の香川大学へ推薦で合格。

どちらも充実した学生生活を送っていますが、自分の将来を考えた時、どういった道が一番いいのか、考えてみる必要があります。

高校は決してゴールではないので。

ポイント4 進路は子どもが決めること

当たり前だろって突込みが入りそうなんですが、意外と多いんです。

最終的に親や周りの大人がひっくり返すケース

塾では「○○高校に行こうね」って話していたのにもかかわらず、学校の懇談で「やっぱり△△高校に行くことにした」と寂しそうに報告されたケースが何度かあります。

大部分の子どもは初めての受験です。

三者懇談で学校の先生から「ここは危ない」「受からない」「無理」と言われたら委縮するに決まっています。

それを聞いた保護者も「先生がそう言うのであれば…、やっぱりやめとこうか?」となるわけです。

それまでに親子でしっかりと話し合っていれば、そうなることは避けられると思うんですけどね。

たとえ失敗しても自分の行きたい道を行かせるべきなのか、行きたくなくても失敗のない道を行かせるべきなのか、長い目で見て判断してほしいと思います。

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